Amazon API GatewayとALBとのプライベート統合の新機能
はじめに
Amazon API Gatewayは、多くのユーザーにREST APIの実装に関して柔軟性と効率性を提供してきました。このたび、REST APIsがApplication Load Balancer(ALB)と直接プライベートに統合できる新機能が発表されました。これにより、相互VPC接続が可能となり、インフラをよりシンプルにするとともに、レイテンシーの短縮やコスト削減が見込めます。このブログでは、API Gateway REST APIs と ALB のプライベート統合の詳細について解説します。
概要
Amazon API Gatewayは、REST APIのインターフェースを提供し、さまざまなサービスと連携可能なプラットフォームです。この最新のアップデートにより、API GatewayのREST APIは、直接ALBとプライベートインテグレーションが可能となりました。この機能は、従来のネットワークロードバランサーを介した接続を不要にし、潜在的なレイテンシを低減し、インフラ構成を簡素化することができます。また、HTTP/HTTPSヘルスチェックやリクエストベースのルーティングなどのLayer 7機能が強化され、コンテナサービスともネイティブに統合可能です。
詳細解説
プライベート統合が可能な地域
新たなプライベート統合機能は、AWS GovCloud(US)の全リージョン、および多数の商業リージョンで利用可能です。これには、米国東部(バージニア北部)、米国東部(オハイオ)、米国西部(カリフォルニア北部)、米国西部(オレゴン)、アフリカ(ケープタウン)、アジア太平洋(東京)、カナダ(中央)、ヨーロッパ(ロンドン)などが含まれます。この拡張により、グローバルな企業にとってもAPI管理がより容易になります。
Layer 7での強化機能
API GatewayとALBのプライベート統合により、HTTP/HTTPSをベースとしたヘルスチェックとリクエストベースのルーティングが可能となります。これにより、APIの可用性とパフォーマンスが向上し、組織でのAPI稼働環境が一層安定します。加えて、コンテナサービスとの統合が強化されることで、マイクロサービスアーキテクチャの構築がさらに簡単になります。
利用用途・ユースケース
この機能は、機密性の高いデータを扱う金融機関やヘルスケアプロバイダーにとって、セキュアなAPI設計を実現します。例えば、クロスリージョンでのデータアクセスや、企業内部専用のAPIサービスの提供をより効果的に行えます。また、コンテナベースのアプリケーション環境を持つ企業は、ALBとのネイティブな統合を通じて、さらに洗練されたサービス提供が可能です。
メリット・デメリット
- メリット: レイテンシの低減、コストの削減、アーキテクチャの簡素化、強化されたLayer 7機能
- デメリット: 特定のリージョンに限定される利用範囲、学習コストが新たに発生する可能性
まとめ
Amazon API GatewayがALBと直接プライベートに統合できるようになり、APIの設計と管理において新たな選択肢が提供されました。この機能により、レイテンシの改善やインフラコストの削減が見込まれ、APIを利用するアプリケーションの効率性が向上します。企業はこの変化を活用して、より安全で効率的なシステムを構築することができるでしょう。
考察
今回のアップデートにより、AWSユーザーはAPIアーキテクチャの多大な改良を実現する機会を得ました。特に、効率的なアプリケーション運用を求める企業にとって、この機能は価値あるソリューションとなるでしょう。ただし、特定地域に依存する部分があるため、利用開始前に対象リージョンの確認が重要です。
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