Amazon RDS、ハイデラバードとケープタウンでのクロスリージョン自動バックアップを提供開始

2024年11月発表

AWSは、データベースサービスAmazon Relational Database Service(RDS)において、新たにアジアパシフィック(ハイデラバード)とアフリカ(ケープタウン)リージョン向けのクロスリージョン自動バックアップ機能を提供開始しました。この機能により、これらのリージョンで稼働するAmazon RDSインスタンスのバックアップが、異なるリージョンにも自動でレプリケーションされ、災害復旧計画(DR)を容易に実現できるようになります。特に、重大なシステム障害や災害発生時においても迅速にデータベースを復元し、ビジネスを中断なく継続するための強力な対策となります。AWSの提供するクロスリージョンバックアップは、データの地理的冗長性を確保し、企業が持つデータの保護と可用性の向上をサポートします。


新機能の概要

今回のアップデートにより、ハイデラバードとケープタウンリージョンのRDSインスタンスは、自動でバックアップデータを別のリージョンにレプリケーションできます。バックアップの対象には、DBインスタンスのスナップショットやトランザクションログが含まれており、これらのバックアップはターゲットリージョンに自動的に転送されます。これにより、主要なリージョンでの障害発生時にも、バックアップを使用して別のリージョンで迅速にデータベースを復元可能です。また、トランザクションログは頻繁にアップロードされるため、短時間でのリカバリポイント目標(RPO)を達成し、最新のデータ状態で復元できます。AWS Management ConsoleやAWS CLIを通じて数クリックで設定可能で、管理が簡便である点も魅力です。


想定される利用用途

  1. 災害復旧(DR)対策:ハイデラバードやケープタウンでの業務が中断した場合に、バックアップ先のリージョンでの業務再開が可能。
  2. データの地理的分散:データを複数のリージョンに分散することで、地域的な災害や障害による業務への影響を最小限に抑制。
  3. 法令遵守や規制対応:特定地域でのデータ保存が必要な業界において、適切なバックアップ先のリージョンを設定することで規制要件を遵守。
  4. 重要データの長期保存:企業の重要データを異なる地域に冗長化し、長期的なデータ保護を実現。

メリット

  1. 高可用性の向上:主要リージョンでの障害発生時にもデータを別のリージョンから復元でき、ビジネスの中断を防ぎます。
  2. 運用の自動化と効率化:バックアップとレプリケーションが自動で行われるため、手動操作が不要で運用負荷を軽減。
  3. 柔軟な復元ポイント:トランザクションログの頻繁なレプリケーションにより、ほぼリアルタイムでのデータ復元が可能。
  4. グローバルなデータレジリエンス:複数のリージョンにデータを分散することで、ビジネス継続性を確保し、信頼性が向上。

デメリット・課題

  1. 追加コストが発生:クロスリージョンバックアップにはデータ転送とストレージのコストがかかり、運用コストが増加する可能性。
  2. 設定管理の複雑さ:複数のリージョン間での設定やバックアップポリシー管理により、運用が複雑化する場合があります。
  3. データ転送によるレイテンシ:リージョン間のデータ転送に伴い、わずかな遅延が生じる可能性があり、リアルタイム性が求められる場合に影響が出る可能性。
  4. 依存性の管理:クロスリージョンでのバックアップが有効であっても、他のサービスやシステム依存がある場合、データベース復元だけで業務が再開できないことがある。

まとめ

Amazon RDSのクロスリージョン自動バックアップの追加は、ハイデラバードとケープタウンリージョンにおけるデータの可用性と安全性を飛躍的に向上させる新機能です。災害や障害時にも迅速にデータを復元し、ビジネスを継続するための重要なツールとして、データ保護のレベルがさらに高まります。複数リージョン間でのデータ分散により、企業は業務の安定性と信頼性を強化しつつ、法規制にも対応できます。追加コストや設定の複雑さが課題となる場合もありますが、AWSの管理ツールを使って簡単に設定・管理ができるため、効果的な災害復旧対策を構築可能です。

詳細は公式ページをご覧ください。

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