Amazon EC2 R8iおよびR8i-flexインスタンスが追加のAWSリージョンで利用可能に
はじめに
Amazon Web Services(AWS)はその提供するサービスを常に進化させており、今回も新たな進展がありました。Amazon Elastic Compute Cloud(EC2)に新たにR8iおよびR8i-flexインスタンスが追加され、アジア太平洋(シドニー)、カナダ(セントラル)、および米国西部(北カリフォルニア)といったリージョンでも利用が可能となりました。これにより、より多くのユーザーが高性能で高速なメモリーバンド幅を持つインスタンスを利用できるようになり、特にメモリー依存の高いワークロードにおいて大きな利点を享受することができます。
概要
Amazon EC2の新しいR8iおよびR8i-flexインスタンスは、カスタムインテルXeon 6プロセッサを採用しており、クラウド上における他のインテルプロセッサと比較して最高のパフォーマンスと最速のメモリーバンド幅を提供します。これらのインスタンスは、前世代のインテルベースインスタンスと比較して最大15%の価格性能比の向上と2.5倍のメモリーバンド幅を実現しており、R7iインスタンスと比較して20%以上の性能向上を達成しています。
詳細解説
インスタンスの特性とパフォーマンス
R8iおよびR8i-flexインスタンスは、特定のワークロードに対して非常に高いパフォーマンスを発揮します。具体的には、PostgreSQLデータベースでは最大30%、NGINXウェブアプリケーションでは最大60%、AIの深層学習レコメンデーションモデルでは最大40%の速度向上が観測されています。特に、メモリーを多く必要とするアプリケーションや、最大のインスタンスサイズが必要なワークロードに適しています。
柔軟なスケーリング:「R8i-flex」の特徴
R8i-flexは、メモリー最適化されたフレックスインスタンスとしての利点を提供し、多くのメモリーインテンシブなワークロードに対して価格パフォーマンスの利点を容易に享受できます。インスタンスサイズは、ラージから16xラージまでと非常に幅広く、計算リソースを完全に活用しないアプリケーションに最適な選択肢となっています。
SAP対応と大規模利用への対応
R8iインスタンスはSAP認定(SAP-certified)を受けており、クラウドとオンプレミス環境のすべての比較機において最高の142,100 aSAPSを提供し、ミッションクリティカルなSAPワークロードにおいて卓越した性能を提供します。
利用用途・ユースケース
R8iおよびR8i-flexインスタンスは、以下のような用途やユースケースに最適です:
– 大規模なデータベース管理システム(DBMS)の運用
– リアルタイムなデータ解析やビッグデータ処理
– メモリー指向のAIおよび機械学習モデルのトレーニングと推論
– 大規模なSAPアプリケーションのデプロイメント
メリット・デメリット
- メリット
- 従来のインスタンスよりも高い価格性能比
- メモリーバンド幅の大幅な向上により、メモリー集約型アプリケーションのパフォーマンスを最適化
- 幅広いリージョンでの利用可能性により、低遅延と高可用性を実現
- デメリット
- 最適化されていないプロセッサを使用するとパフォーマンスが制限される可能性
- R8i-flexの設計特性のため、適切なサイズ選択やワークロード特性の理解が必要
まとめ
今回の新しいR8iおよびR8i-flexインスタンスは、特にメモリー集約型のワークロードにおいて魅力的な選択肢となります。AWSユーザーはこれらの高性能インスタンスを活用することで、業務のニーズにより適したクラウドソリューションを構築することが可能です。SAP認定を受けたR8iインスタンスは、特に大規模なSAPアプリケーションの実行に適しています。AWSのマネジメントコンソールを通じて、これらのインスタンスを簡単に購入して利用を開始することができるため、ビジネスの成長を支える基盤として非常に効果的です。
考察
新たに追加されたAWSリージョンでのR8iおよびR8i-flexインスタンスの提供により、グローバルなビジネスがさらなるパフォーマンス向上とコスト削減を実現する可能性が広がります。特にメモリー依存の高いアプリケーションを運用する企業にとって、価格性能比の優位性は魅力的です。ただし、最適なインスタンスサイズの選択と特定のワークロードに対する最適化がカギとなります。
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