Amazon EC2 R8iおよびR8i-flexインスタンスがヨーロッパ(ロンドン)で利用可能に
はじめに
本日、Amazon Web Services(AWS)は、ヨーロッパ(ロンドン)地域でAmazon EC2のR8iおよびR8i-flexインスタンスの提供を開始しました。これらの新しいインスタンスは、AWS専用のカスタムIntel Xeon 6プロセッサによって強化されており、クラウドで最も高いパフォーマンスと高速なメモリ帯域幅を提供します。さらに、これらのインスタンスは、特定のワークロードでの性能が劇的に向上しており、多くの企業や開発者にとって大きな利点となります。本記事では、新しいインスタンスの詳細とその利用ケースについて詳しく解説します。
概要
Amazon EC2 R8iおよびR8i-flexインスタンスは、AWSのカスタムIntel Xeon 6プロセッサによってサポートされ、クラウドで最も性能の高いIntelプロセッサを提供します。この新しいインスタンスは既存のIntelベースのインスタンスに比べて最大15%の価格性能向上と2.5倍のメモリ帯域幅を実現します。特に、PostgreSQLデータベースやNGINXウェブアプリケーション、AIディープラーニング推薦モデルにおいて大幅なパフォーマンス改善が見込まれます。
詳細解説
R8iインスタンスの特徴
R8iインスタンスは、大規模なメモリ集約型のワークロードに最適化されています。13種類のサイズが用意されており、その中には2つのベアメタルと新しい96xlargeサイズが含まれます。特にSAP認定を受けたインスタンスであり、ミッションクリティカルなSAPワークロードに優れた性能を発揮します。
R8i-flexインスタンスのユニークな点
R8i-flexは、AWS初のメモリ最適化Flexインスタンスであり、メモリ集約型ワークロードにおいて簡単に価格性能上の利点を得ることができます。最も一般的なサイズを提供し、計算資源を完全に利用しないアプリケーションにも適しています。
パフォーマンス比較
R8iとR8i-flexインスタンスは、R7iインスタンスと比較して全体で20%のパフォーマンス改善を実現しています。また、特定のワークロードでは、PostgreSQLデータベースで最大30%、NGINXウェブアプリケーションで最大60%、AIディープラーニングモデルで最大40%の速度向上が報告されています。
利用用途・ユースケース
R8iおよびR8i-flexインスタンスは、特に以下のような用途で有効です:
– データベース運用: 大量のメモリを必要とするSAP HANAやPostgreSQLデータベースの運用
– ウェブアプリケーション: 高負荷のNGINXやウェブサービスの高速化
– 機械学習: 特にAIディープラーニング推薦モデルのトレーニング
– エンタープライズアプリケーション: ビジネスインテリジェンスおよび分析作業
メリット・デメリット
- メリット
- 価格性能が向上(最大15%)
- メモリ帯域幅が2.5倍に増加
- 特定ワークロードでパフォーマンスが大幅に向上
- SAP認定済で、エンタープライズ用途に最適
- デメリット
- 利用可能な地域が限定(現在はロンドンのみ)
- 一部の処理では十分な効果を発揮しない可能性も
まとめ
Amazon EC2のR8iおよびR8i-flexインスタンスは、メモリ集約型および高性能コンピューティングワークロードにおいて、特に優れたパフォーマンスを提供します。価格性能の向上とパフォーマンス向上が実現され、多様なビジネスニーズに応えるアーキテクチャが期待されています。ヨーロッパ(ロンドン)地域で利用可能となったことで、今後より多くの企業がこれらインスタンスの恩恵を受けることでしょう。
考察
AWSのR8iとR8i-flexインスタンスの新たな提供は、ユーザーにとって多大なパフォーマンス向上とコスト削減の機会を提供します。大量のメモリと高い計算能力を求める企業にとって、このアップグレードは特に意義深いものとなるでしょう。しかし、その地域対象がまだ限定的であることから、今後の対応地域の拡大が期待されるところです。
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