Amazon CloudWatchでEC2インスタンスのI/O性能を超える状態を監視する新機能

2025年10月発表

Amazon CloudWatchでEC2インスタンスのI/O性能を超える状態を監視する新機能

はじめに

今日のクラウドコンピューティングでは、アプリケーションのパフォーマンスが企業の成長や効率に直接的に影響を与えることが一般的になっています。そのため、AWSはEC2インスタンスのI/O性能をリアルタイムで監視するための新しい方法を提供します。新たに追加されたAmazon CloudWatchの新機能で、この監視はさらに詳しく、かつ迅速に実行できるようになります。

概要

Amazonは、EC2インスタンスのEBSボリュームにおいてI/O性能の限界を超えた際にインサイトを得られる新しいCloudWatchメトリクスを発表しました。「Instance EBS IOPS Exceeded Check」と「Instance EBS Throughput Exceeded Check」という2つのメトリクスは、それぞれインスタンスがサポートする最大EBS IOPSやスループットを超えたかどうかを監視します。この機能により、アプリケーションの性能問題を即座に特定し、対応することが可能になります。

詳細解説

Instance EBS IOPS Exceeded Checkとは?

「Instance EBS IOPS Exceeded Check」は、EBSボリュームがインスタンスのサポートする最大IOPSを超えた場合に1を返します。通常の状態では0を返し、パフォーマンスが限界を超えた際は迅速に警告を出せるようになっています。

Instance EBS Throughput Exceeded Checkの機能

「Instance EBS Throughput Exceeded Check」は、スループットが最大EBSスループットを超えた際に作動するメトリクスです。このメトリクスも同様に1分ごとの更新が可能で、迅速な障害対応を可能にします。

CloudWatchダッシュボードとアラーム

この新しいメトリクスを使うことで、カスタマイズしたダッシュボードを作成し、アラームを設定して、特定の条件を満たした時に通知や自動アクションを実行できます。例えば、限界を超えればより大きなインスタンスに移行するなどのアクションが考えられます。

利用用途・ユースケース

– 高トラフィックサイトやリアルタイム処理を行うアプリケーション
– 使用するインスタンスタイプの最適化
– 自動スケーリングポリシーの設定や調整
– 特にEBSがボトルネックとなりやすいデータ集約型アプリケーション

メリット・デメリット

  • メリット: トラフィックの急増やアプリケーションのI/Oに起因する問題を取り除ける
  • メリット: パフォーマンス監視が自動化され、手動での監視の必要性が軽減される
  • デメリット: 初期設定やチューニングに時間がかかる可能性がある
  • デメリット: 柔軟性が高すぎる場合は、誤設定がパフォーマンスに影響を与えることがある

まとめ

今回のAmazonの新機能により、EC2インスタンスのEBS性能に関するトラブルはより迅速に対応できるようになりました。特に、I/O性能がボトルネックとなるアプリケーションにおいて、パフォーマンスの監視と最適化が可能になります。これにより、多くの企業はインフラ管理の面でのコスト削減と効率の向上を期待できます。

考察

この発表はAWSユーザーにとって、インフラのパフォーマンス管理をさらに強化する重要なステップとなるでしょう。特に、EBSに付随するリソース管理の効率化が図れるため、管理コストの削減とパフォーマンス向上が期待できます。しかしながら、システムの柔軟性や複雑さに応じて、適宜設定や運用の見直しが必要となる点にも留意が必要です。


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