Amazon VPC LatticeがOracle Database@AWSをサポート

2025年7月発表

Amazon VPC LatticeがOracle Database@AWSをサポート

はじめに

Amazon VPC Latticeが、ついにOracle Database@AWS(以下、ODB)をサポートすることが発表されました。この機能追加により、VPCやオンプレミス環境からODBネットワークへ簡単に接続が可能になります。さらに、Amazon S3やAmazon Redshiftへのアクセスも容易になるため、Oracle Exadataを利用したワークロードの可能性が大幅に広がります。本記事では、この新機能がAWSユーザーにどのようなメリットをもたらすか詳しく解説します。

概要

Amazon VPC Latticeは、ODBを利用したアプリケーションとVPC内外のサービスを簡単に接続するための機能です。このリリースにより、ODBデータベースとAWSサービス、HTTP API、TCPアプリケーション間の接続が簡単になり、複雑なネットワーク設定が不要になります。また、VPC Latticeはネットワーク管理の簡素化と中央集権的な可視性を提供します。ODBの管理された統合機能を利用すれば、Amazon S3やAmazon Redshiftへのプライベートかつセキュアなアクセスが可能です。

詳細解説

VPC LatticeとODBのシームレスな連携

VPC Latticeを活用することで、ODBを使ったアプリケーションは数千のVPCやオンプレミス環境にわたって簡単に接続可能です。これにより、ネットワークの複雑性が大幅に減少し、接続の設定にかかる時間とコストが削減されます。

Amazon S3とRedshiftへのアクセス

VPC Latticeを使えば、ODBのExadataワークロードをAmazon S3やAmazon Redshiftに簡単に接続できます。例えば、Amazon S3に対してバックアップを設定することも可能で、データの保護が強化されます。さらに、Zero-ETLの統合により、ODBデータベースからRedshiftにデータを流して複数のデータベースでの分析が可能になります。

展開と管理の容易さ

VPC Latticeのサポートは、ODBが利用可能なすべてのAWSリージョンで提供されています。AWS Management Console、AWS CLI、またはSDKを使ってVPC Latticeのリソースを配置および設定することができます。この権限がAWSユーザーに与えるため、迅速な展開が可能となります。

利用用途・ユースケース

– 大規模データ分析を実施している企業が、ODBを利用したアプリケーションからAmazon Redshiftにシームレスにデータを流して分析を行う。
– オンプレミスのOracle Exadata環境をAWSに移行し、VPC Latticeを活用してAmazon S3へセキュアにバックアップ。
– 複数のVPCにまたがる分散型のアプリケーションが、ODBをサポートすることによりクラウドおよびオンプレミス環境での効率的なデータ管理を実現。

メリット・デメリット

メリット

  • ネットワーク設定の簡素化により、デプロイ時間とコストが削減
  • プライベートかつセキュアなAWSサービスへのアクセスが可能
  • OCI管理バックアップによりデータ保護が強化
  • Zero-ETL統合での効率的なデータ分析が可能

デメリット

  • OCI統合の設定には技術的な知識が必要
  • 新しいAWSリージョンでのサポートが必要になる場合がある

まとめ

Amazon VPC LatticeによるOracle Database@AWSのサポートは、AWSの利用者に多大なメリットをもたらします。ネットワークの管理がよりシンプルになり、AWSサービスへの接続も容易になるため、データ管理の効率が向上します。特に、大規模なデータを取り扱う企業にとって、この統合は重要な役割を果たすことでしょう。しかし、OCI統合の設定にはある程度の技術的理解が必要であり、設定時には注意が必要です。

考察

今回のVPC LatticeによるODBサポートは、AWSユーザーにとって非常に有益なアップデートです。複雑なネットワーク設定を不要にし、より簡単にAWSのリソースを利用できるようになります。ただし、新機能を活用するにはOCI統合の知識が求められるため、事前の学習が不可欠です。総じて、データアクセスと管理の効率を高めるこのアップデートは、多くの企業がクラウド戦略をより一層加速する要因となるでしょう。


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