Oracle Database@AWSの限定プレビュー開始:AWS上でのOracleデータベースサービスの新展開

2024年12月発表

2024年12月1日、Amazon Web Services(AWS)とOracleは共同で、Oracle Database@AWSの限定プレビューを開始しました。この新サービスにより、顧客はAWSデータセンター内でOracle Cloud Infrastructure(OCI)のExadataインフラストラクチャ上で管理されるOracleデータベースサービスにアクセスできるようになります。

アップデートの概要

Oracle Database@AWSは、AWSのインフラストラクチャ内でOCIのExadataデータベースサービスを提供するものです。これにより、顧客はオンプレミス環境と同等の機能、アーキテクチャの互換性、パフォーマンス、可用性を維持しつつ、Oracle Real Application Clusters(RAC)を含むOracleデータベースワークロードを最小限の変更でAWS上に移行できます。

さらに、Oracle Database@AWSは、OracleデータベースとAWSサービス間の低レイテンシーなネットワーク接続を提供し、ミッションクリティカルなアプリケーションのモダナイゼーションや新たなインテリジェントアプリケーションの開発を支援します。また、OracleとAWSの統合された購入、管理、運用、サポートエクスペリエンスを提供し、既存のAWSコミットメントやOracleライセンス特典(Bring Your Own LicenseやOracle Support Rewardsなど)を活用することが可能です。

現在、Oracle Database@AWSは米国東部(バージニア北部)リージョンで限定プレビューとして提供されており、2025年には追加のAWSリージョンでの提供が予定されています。

想定される利用用途

  • ミッションクリティカルなアプリケーションのクラウド移行: オンプレミスで稼働している重要なOracleデータベースワークロードをAWS上にシームレスに移行し、クラウドの柔軟性とスケーラビリティを享受。
  • ハイブリッドクラウド戦略の強化: 既存のAWSサービスとOracleデータベースを統合し、ハイブリッドクラウド環境でのデータ管理とアプリケーション開発を最適化。
  • データ分析とAI/MLの活用: AWSの分析サービスやAI/MLツールとOracleデータベースを連携させ、高度なデータ分析や機械学習モデルの開発を促進。
  • 災害復旧とバックアップの効率化: Oracleデータベースのバックアップや災害復旧戦略をAWS上で実現し、データの安全性と可用性を向上。

メリット

  • シームレスな移行: オンプレミスのOracleデータベースワークロードを最小限の変更でAWS上に移行可能。
  • 統合された管理とサポート: OracleとAWSの統合された購入、管理、運用、サポートエクスペリエンスを提供。
  • コスト効率の向上: 既存のAWSコミットメントやOracleライセンス特典を活用することで、コスト削減が可能。
  • 高パフォーマンスと可用性: OCIのExadataインフラストラクチャ上で稼働することで、高いパフォーマンスと可用性を実現。

デメリット

  • リージョンの制限: 現在は米国東部(バージニア北部)リージョンでのみ提供されており、他のリージョンでの利用は2025年以降となる。
  • 限定プレビューの制約: 現時点では限定プレビューでの提供であり、一般提供前に機能やサポートに制限がある可能性。
  • 学習コスト: 新しいサービスの導入に伴い、運用担当者や開発者に対して新たな学習が必要となる場合がある。
  • 依存関係の増加: OracleとAWSの両方のサービスに依存することで、運用上の複雑性が増す可能性。

まとめ

Oracle Database@AWSの限定プレビュー開始により、企業はAWS上でOCIのExadataインフラストラクチャを活用したOracleデータベースサービスを利用できるようになりました。これにより、ミッションクリティカルなアプリケーションのクラウド移行やハイブリッドクラウド戦略の強化が期待されます。ただし、現在は特定のリージョンでの限定提供であり、一般提供前にいくつかの制約が存在するため、導入前に十分な検討が必要です。

公式サイトはこちら: Oracle Database@AWSの限定プレビュー開始

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