Oracle Cloud Infrastructure Architect Associate 2024 〜IAM概要〜

Oracle Cloud Infrastructure Architect Associate 2024

Oracle Cloud Infrastructure(OCI)の**Identity and Access Management(IAM)**は、ユーザー、アプリケーション、リソースへのアクセスを安全かつ効率的に管理するための中核的なサービスです。本記事では、IAMの概要、主要な機能、そしてその活用方法について解説します。


OCI IAMとは?

OCI IAMは、クラウド環境における**アイデンティティ(認証)アクセス管理(認可)**を一元化する仕組みです。これにより、誰が、何に、どのような権限でアクセスできるかを細かく制御できます。


IAMの主な役割

  1. アイデンティティ管理
    • 一元的なアイデンティティ・ライフサイクル管理
    • 外部アプリケーションや既存システムとの統合
    • セキュアかつ簡単なアクセス提供
  2. アクセス管理
    • きめ細かいアクセス制御
    • ユーザーやグループに対する詳細な権限設定

IAMの基礎構成

認証

IAMは、以下の多様な認証方法を提供しています。

  • インスタンス・プリンシパル: OCIリソース間のアクセスを簡易化。
  • ユーザー資格証明: ユーザーIDとパスワードでの認証。
  • フェデレーテッドID: 外部のIDプロバイダー(例: Microsoft AD)と統合。
  • APIキー: プログラムによるアクセス用。
  • MFA(多要素認証): 電子メールやモバイルアプリを利用したセキュアな認証。
  • OAuth 2.0: 標準的なアクセスプロトコル。

認可

IAMでは、ポリシーを使用して誰が何をできるかを制御します。

    • ユーザーA: フルアクセス。
    • ユーザーB: 読み取り専用。
    • ユーザーC: コンピュート・インスタンスの起動・停止が可能。

IAMのコンポーネント

IAMは複数の要素で構成されています。それぞれの役割を理解することで、管理が容易になります。

  • ユーザー: OCIリソースにアクセスする主体。
  • グループ: ユーザーをまとめた単位。管理の簡略化に役立つ。
  • ポリシー: グループとコンパートメントを関連付け、権限を定義するもの。
  • コンパートメント: リソースを論理的に整理し、分割管理するための単位。
  • 動的グループ: OCIリソースに基づいて動的にユーザーを割り当て可能。
  • フェデレーション: 外部IDプロバイダーとの統合により、シームレスなアクセスを提供。

IAMの活用例

IAMを活用すると、効率的でセキュアなクラウド環境を実現できます。

  1. グループ化
    • ユーザーをグループ化し、ポリシーで権限を付与。
    • リソースはコンパートメントに整理して管理負担を軽減。
  2. アイデンティティ・ドメイン
    • 各プロジェクトや部門ごとにドメインを作成し、管理範囲を分離。
    • :
      • 開発部門用のコンパートメントA。
      • 販売システム用のコンパートメントB。
      • 生産システム用のコンパートメントC。
  3. アイデンティティ・ライフサイクル管理
    • 自動プロビジョニングとセルフサービス機能で管理負担を削減。
    • 外部ADやクラウドアプリケーションとの連携を活用。

IAMの主な機能とメリット

IAMは以下の4つの主要機能を提供します:

  1. インバウンド認証とSSO: ユーザーが一度のログインで複数サービスにアクセス可能。
  2. アイデンティティ・ストアとライフサイクル管理: ユーザー登録や削除を効率化。
  3. アウトバウンド認証とSSO: 外部アプリケーションへのシームレスな接続。
  4. アクセス・ポリシー管理: きめ細かい権限制御を可能にするポリシー設計。

アイデンティティ・ドメインの種類

IAMには4つのアイデンティティ・ドメインタイプが用意されています。

  • Free: 無料で提供される標準タイプ。ほとんどのケースでこれが利用される。
  • Premium: 全機能が利用可能。制限なし。
  • Oracle Apps Premium: OracleのSaaSやアプリケーション管理に特化。
  • External User: 外部ユーザー向け。従業員以外のユースケースに対応。

まとめ

OCI IAMは、セキュリティと管理効率を両立したアクセス管理の基盤です。適切に設計することで、ユーザー、グループ、リソースを効果的に整理し、コストと運用負担を削減できます。

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