新しいAWS CUR 2.0の機能:EC2のODCRとMLモニタリングのためのキャパシティブロック
はじめに
AWSは新機能としてCUR 2.0における新しい列の追加と詳細な設定を発表しました。これにより、EC2 On-Demand Capacity Reservation(ODCR)やEC2 Capacity Blocks for MLなどのキャパシティ予約のコストと利用状況の可視化が向上しました。この新機能により、利用者はキャパシティ予約の利用率やカバレッジを簡単に計算でき、未使用のキャパシティ予約を特定してコスト最適化を行うことが可能になります。また、キャパシティ予約のコストをリソースオーナーに割り当てることも容易になります。
概要
今回のアップデートでは、AWSのCost and Usage Report(CUR)に新しい列と粒度が追加され、キャパシティ予約に関する情報がより詳細に提供されます。お客様はこれにより、EC2インスタンスのコストと利用状況のうち、どの部分がどのキャパシティ予約でカバーされているかを時間ベースで確認できるようになりました。
詳細解説
CUR 2.0の新機能
今回追加された機能では、EC2のキャパシティ予約に関するデータが新たに分類され、予約済み、使用中、未使用の3つの状態でラベル付けが行われます。これにより、予約されたリソースが実際に使用されているか、無駄にされているかを明確に把握することができます。
キャパシティ予約の利用率とカバレッジの計算
ユーザーは、どのEC2インスタンスのコストと使用がどのキャパシティ予約によってカバーされているかを、リソース単位での詳細な粒度で確認できます。これにより、コストの最適化はもちろん、キャパシティ管理の効率化も進めることが可能になります。
地域制限について
この機能はすべての商用AWSリージョンで利用可能ですが、AWS GovCloud(米国)リージョンおよび中国のリージョンでは利用できません。利用の際には対応リージョンを確認してから開始してください。
利用用途・ユースケース
AWSのこの新機能は、以下のような場面で特に有効に活用できます。
– EC2インスタンスのオーバーコストを削減したい企業が、未使用のキャパシティ予約を特定
– リソースのコスト効率を向上させるための具体的なアクションを見つけたい場合
– 機械学習モデルの運用で一貫したキャパシティを確保し続けたい場合
メリット・デメリット
- メリット: コストの可視性が向上し、無駄を削減できる
- メリット: キャパシティ予約の使用状況を細かく管理可能
- デメリット: 新しい機能の理解と導入には学習コストがかかる可能性
まとめ
AWSのCost and Usage Report(CUR)2.0に追加された新機能により、ユーザーはEC2インスタンスのコストとキャパシティ予約の使用状況をより詳細に把握できるようになりました。未使用のキャパシティ予約を特定し、コストの最適化をベースにした事業戦略を立てる手助けになります。新機能は商用AWSリージョンで利用可能であるため、米国政府機関や中国での利用には注意が必要です。
考察
この新機能はAWSユーザーにとって、よりコスト効率の良いITインフラ管理の実現をサポートします。特に大規模なインフラを持つ企業にとって、細かなキャパシティ情報をもとにしたコスト最適化は非常に価値があります。一方で、新機能の活用には適切な知識の習得が不可欠であるため、教育とトレーニングが重要となります。
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