メモリ最適化された新しいAmazon EC2 R8iおよびR8i-flexインスタンスの登場
はじめに
AWSは、新しいメモリ最適化型Amazon EC2 R8iおよびR8i-flexインスタンスの一般提供を開始しました。これらのインスタンスは、AWS専用のカスタムIntel Xeon 6プロセッサを搭載しており、クラウドで最も優れた性能と最速のメモリ帯域幅を提供します。従来のインスタンスと比較して、最大15%のコストパフォーマンスの向上、メモリ帯域幅の2.5倍の増加を実現します。本記事では、R8iおよびR8i-flexインスタンスの特徴、ユースケース、メリットとデメリットについて詳しく解説していきます。
概要
AWSは、メモリ最適化型Amazon EC2 R8iおよびR8i-flexインスタンスの一般提供を開始しました。これらのインスタンスは、カスタムIntel Xeon 6プロセッサを搭載し、クラウドにおいて最も高性能かつ最速のメモリ帯域幅を提供します。R8iおよびR8i-flexインスタンスは、従来のIntelベースのインスタンスと比較して最大15%の価格性能の向上を提供し、以前の世代のR7iインスタンスと比べても20%の性能向上を果たしています。
詳細解説
R8iインスタンスの特徴
R8iインスタンスは、すべてのメモリ集約型ワークロードに最適な選択肢です。特に、高いCPU使用量が継続的に必要な大規模なインスタンスサイズを扱うワークロードにおいて、その真価を発揮します。合計で13つのサイズを提供しており、2つのベアメタルオプションと新しい96xlargeサイズを含んでいます。また、SAP認定を受けており、ミッション・クリティカルなSAPワークロードに対して最高の性能を提供します。
R8i-flexインスタンスの特徴
R8i-flexインスタンスは、メモリ集約型のワークロードに対する価格性能のメリットを簡単に得るための最初の選択肢です。大量のメモリを必要としながら、すべてのコンピュートリソースを完全には利用しないアプリケーションに対して最適で、サイズはlargeから16xlargeまでの最も一般的なサイズをカバーしています。
パフォーマンスの向上について
R8iインスタンスは、複数のワークロードに対して従来のインスタンスより性能が向上しています。具体的には、PostgreSQLデータベースで最大30%の高速化、NGINXウェブアプリケーションで最大60%の高速化、AI深層学習レコメンデーションモデルで最大40%の高速化を実現しています。
利用用途・ユースケース
R8iおよびR8i-flexインスタンスは、主に以下の用途で利用することが可能です。
– ビッグデータ解析
– 大規模なSAPアプリケーションの実行
– 高性能コンピューティング(HPC)タスク
– AI/機械学習モデルのトレーニングと推論
– 高トラフィックを処理するウェブサーバ
メリット・デメリット
- メリット
- メモリ集約型ワークロードのパフォーマンス向上
- 最大15%のコスト削減
- SNSや分析など複数のワークロードに対する性能向上
- デメリット
- 導入するための初期設定や学習が必要
- 特定のAWSリージョンでのみの提供
まとめ
Amazon EC2 R8iおよびR8i-flexインスタンスは、メモリ集約型ワークロードのために設計されており、より高い性能を求める企業にとって重要な選択肢となります。最大15%のコストメリットや、異なるアプリケーションでの性能向上を提供し、従来のインスタンスよりも大きな利便性をもたらします。そのため、SAPアプリケーションや高トラフィックウェブサーバ、AI/MLモデルの抱える課題を解決するために、特に価値があると言えるでしょう。
考察
今回のAWSの発表は、AWSユーザーにとって非常に有益なものであり、とりわけメモリ集約型のワークロードを持つ企業や開発者にとっては大規模なパフォーマンス向上を実現できます。また、これらのインスタンスの導入は、導入と運用の効率を向上させ、総所有コストの削減にも繋がります。ただし、新しいインスタンスの導入に際しては、特定のリージョンでの提供に限定されている点や初期設定を考慮し、事前の準備を行う必要があります。
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