ストレージ性能を強化:Amazon EC2 I7iインスタンスが新たなAWSリージョンで利用可能に
はじめに
AWSは、高性能ストレージ最適化型のAmazon EC2 I7iインスタンスを欧州(フランクフルト、ロンドン)およびアジア太平洋(マレーシア、シドニー、東京)リージョンで利用可能にしたことを発表しました。これらのインスタンスは、第5世代Intel Xeon Scalableプロセッサを搭載し、優れたコストパフォーマンスを提供します。本記事では、最新のI7iインスタンスの特徴やその具体的な利用場面について詳しく解説します。
概要
Amazon EC2 I7iインスタンスは、ストレージ性能を飛躍的に向上させた新世代のインスタンスです。第5世代Intel Xeon Scalableプロセッサ(全コアターボ周波数3.2 GHz)の搭載により、前世代のI4iインスタンスよりも最大で23%のコンピュート性能の向上と、10%以上の価格性能の改善を実現しています。また、第3世代AWS Nitro SSDを採用しており、最大45TBのNVMeストレージを提供します。これにより、リアルタイムのストレージパフォーマンスが最大50%向上し、ストレージI/Oレイテンシが最大50%、ストレージI/Oレイテンシの変動が最大60%低減されます。
詳細解説
I7iインスタンスの技術的特徴
I7iインスタンスは、x86ベースのストレージ最適化型インスタンスにおいて、最高のコンピュートおよびストレージ性能を提供します。第5世代のIntel Xeon Scalableプロセッサを搭載し、全コアターボ周波数は3.2 GHzとなっており、計算能力とコスト効率が大幅に向上しています。また、3rd世代AWS Nitro SSDによるストレージ性能の強化も特筆すべき点です。
ストレージ性能の詳細
最大45TBのNVMeストレージ能力を持ち、これはI/O集約型およびレイテンシが重要なワークロードに最適です。リアルタイムレイテンシで高いランダムIOPS性能を必要とする小〜中規模のデータセット(マルチTB)に対して非常に有効です。また、16KBブロックサイズまでのトーンライト防止機能がサポートされており、データベースのパフォーマンスボトルネックを解消します。
多様なサイズオプション
I7iインスタンスは、最大48xlargeの9つの仮想サイズと、2つのベアメタルサイズが提供され、最大100Gbpsのネットワーク帯域幅と、60GbpsのAmazon Elastic Block Store(EBS)帯域幅を実現します。これにより、幅広いユースケースや容量要件を満たすことが可能です。
利用用途・ユースケース
I7iインスタンスは、以下のような用途に最適です。
– リアルタイムのデータ分析
– 高負荷なトランザクション処理やデータベース用ワークロード
– 大規模なデータセットを伴う機械学習およびAI推論
– 高速なファイル処理やメディアエンコーディング
メリット・デメリット
- メリット
- 優れたコストパフォーマンスと計算能力の向上
- ストレージ性能が飛躍的に向上し、レイテンシが著しく低下
- 多様なサイズオプションで、さまざまなビジネスニーズに対応可能
- デメリット
- 新しいリージョンでの利用開始まで時間が必要な可能性
- 特定のワークロード以外にはオーバースペックの可能性
まとめ
Amazon EC2 I7iインスタンスは、ストレージ性能と計算能力の大幅な向上を実現し、これまで以上に効率的な処理能力を提供します。多様なワークロードに対応できるよう設計されており、特にI/O集約型やレイテンシがクリティカルなアプリケーションに対して最適です。これにより、企業はコストを抑えつつ、性能を妥協することなく、必要なリソースを手に入れることができます。
考察
今回のI7iインスタンスの新リージョン提供は、AWSユーザーにとってさらなる選択肢を提供します。特に、リージョン内でI/O集約型のワークロードを持つユーザーにとって、ストレージ性能の向上と低レイテンシの実現が業務効率を飛躍的に向上させる可能性があります。ただし、新技術の導入に伴うコストやオーバースペックのリスクについても検討が必要です。
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