アジア太平洋(大阪)リージョンでAmazon EC2 C7iインスタンスが利用可能に
はじめに
AWSは常に革新を追求し、ユーザーのニーズに応えるために新しいサービスやアップグレードを提供しています。この度、アジア太平洋(大阪)リージョンにおいてAmazon EC2 C7iインスタンスが利用可能になったことが発表されました。C7iインスタンスは、カスタム設計のIntel Xeon Scalableプロセッサを搭載し、パフォーマンスとコスト効率の面で優れた性能を発揮します。本記事では、C7iインスタンスの特徴とその利用用途について詳しく解説します。
概要
C7iインスタンスは、AWSでのみ利用可能なカスタム4th Gen Intel Xeon Scalableプロセッサ(コードネーム: Sapphire Rapids)を搭載しており、他のクラウドプロバイダーが使用するインテルプロセッサと比較して最大15%のパフォーマンス向上を実現しています。また、従来のC6iインスタンスと比較して、価格性能比が約15%向上しています。これにより、C7iインスタンスは計算集約型のワークロードに最適です。
詳細解説
カスタムIntelプロセッサの利点
C7iインスタンスに搭載されているカスタムIntel Xeon Scalableプロセッサは、AWS専用に設計されており、AWSのプラットフォーム上で最適なパフォーマンスを発揮します。これにより、計算集約型ワークロードの効率を大幅に向上させます。
インスタンスサイズと構成
C7iインスタンスでは、最大48xlargeの大きなインスタンスサイズで提供され、2種類のベアメタルサイズ(metal-24xl, metal-48xl)が利用可能です。このベアメタルオプションでは、データストリームアクセラレータ、インメモリアナリティクスアクセラレータ、QuickAssistテクノロジーなどのIntelアクセラレータを内蔵しています。
価格性能比の向上
C7iは、C6iと比較して約15%のコスト効率を改善しており、大量のデータを迅速に処理する必要がある場合やスケーリングが必要なワークロードにおいて優れた選択肢となります。
AMXによるマトリクス演算の高速化
C7iインスタンスは新しいIntelのAdvanced Matrix Extensions(AMX)をサポートしており、特にCPUベースの機械学習アプリケーションにおいてマトリクス乗算を高速化します。
EBSボリュームの拡張
C7iインスタンスでは、最大128のEBSボリュームを添付できます。これにより、より多くのデータの処理やスケーリングが可能になり、C6iインスタンスを凌駕するパフォーマンスが期待できます。
利用用途・ユースケース
– バッチ処理
– 分散アナリティクス
– 広告配信
– ビデオエンコーディング
これらのワークロードは特にC7iインスタンスの恩恵を受けることができます。プロセッサの性能向上とEBSボリュームの拡張は、これらのシナリオでの効率的かつ効果的なデータ処理を可能にします。
メリット・デメリット
- メリット: カスタムIntelプロセッサによる高パフォーマンス
- メリット: 価格性能比の向上
- メリット: 幅広いインスタンスサイズとベアメタルオプション
- メリット: Enhanced EBSのサポートによる大容量データ処理
- デメリット: 最新テクノロジーのため一部のアプリケーションでは未対応の場合あり
まとめ
Amazon EC2 C7iインスタンスの登場により、特に計算集約型のワークロードに対する要求に応え、より高効率な処理が可能になりました。カスタム設計されたIntelプロセッサの採用により、パフォーマンスおよびコスト効率が一段と向上しています。この新しいインスタンスは、幅広い業界のユーザーにとって、パフォーマンス重視のクラウドインフラにおける魅力的な選択肢となるでしょう。
考察
この発表により、AWSユーザーは大阪リージョンでより高性能な計算リソースにアクセスできるようになりました。特に、計算集約型のワークロードを扱う企業にとって、C7iインスタンスが提供する向上したパフォーマンスは、効率的な処理とコスト削減をもたらす可能性があります。一方で、新技術に対する対応が必要な場合があるため、注意が求められます。
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