南米(サンパウロ)とカナダ西部(カルガリー)で利用可能になったAmazon EC2 I7iインスタンス
はじめに
Amazon Web Services(AWS)は、ストレージ最適化された高性能Amazon EC2 I7iインスタンスを南米(サンパウロ)およびカナダ西部(カルガリー)のリージョンで提供開始すると発表しました。この新しいインスタンスは、特にI/O集約型およびレイテンシーに敏感なワークロードに理想的な性能を発揮します。本記事では、この発表に関する詳細を解説しつつ、具体的な利用用途やメリット・デメリットを明らかにします。
概要
新たに登場したAmazon EC2 I7iインスタンスは、5世代のIntel Xeon Scalableプロセッサを搭載し、すべてのコアで3.2GHzのターボ周波数を実現しています。従来のI4iインスタンスと比較して、最大23%のコンピュート性能向上と10%以上の価格性能の改善を達成しました。また、3世代AWS Nitro SSDによって最大45TBのNVMeストレージを提供し、50%のリアルタイムストレージ性能向上と同様のレイテンシー削減を実現しています。
詳細解説
プロセッサと性能
I7iインスタンスは、新世代Intel Xeonプロセッサにより、計算能力の飛躍的な向上を見せています。これにより、データ処理や解析、エンタープライズグレードアプリケーションの負荷にも余裕を持った対応が可能です。
ストレージ性能
搭載されたAWS Nitro SSDは、最大45TBのNVMeストレージを提供し、I/O性能の向上を実現しました。これは特に、小〜中規模のデータセット(マルチTB)に対するランダムIOPS性能が要求されるワークロードに非常に適しています。
ネットワーク帯域幅
I7iインスタンスは最大100Gbpsのネットワーク帯域幅と60GbpsのAmazon Elastic Block Store (EBS) 帯域幅を提供し、高スループットを必要とするアプリケーションに対しても優れたパフォーマンスを提供します。
利用用途・ユースケース
– ランダムIOPSを必要とするデータベースの運用
– 高スループットが求められるビッグデータ解析
– リアルタイムの分析業務
– レイテンシーに敏感な金融取引アプリケーション
– ストレージ集約型のデータ処理作業
メリット・デメリット
- メリット:強力なプロセッサ性能、優れたストレージ性能、広帯域ネットワーク対応、レイテンシー削減
- デメリット:高性能であるがゆえにコストも高い可能性、利用するワークロードによってはオーバースペックと感じられる場合も
まとめ
Amazon EC2 I7iインスタンスの提供開始は、高たい計算能力とストレージ性能を必要とするユーザーにとって非常に魅力的な選択肢となります。I/O集約型のアプリケーションやレイテンシーに敏感な業務を抱える企業にとって、オペレーション効率やコスト効率の改善を図る絶好の機会です。この新しいインスタンスにより、最先端のITインフラを構築し、迅速なビジネス展開を推進することが期待できます。
考察
Amazon EC2 I7iインスタンスの登場は、AWSユーザーにとって特にI/O集約型ワークロードの効率性向上を可能にします。高いコストパフォーマンスと高度な技術仕様を活かし、より速やかにビジネスニーズに応えるインフラの提供が可能となり、運用面での競争力向上に寄与するでしょう。一方で、新しいインスタンスの運用にはスキルセットの拡充も必要であり、その点での注意が求められるかもしれません。
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